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地球温暖化における畜産牛との関係

牛から排出されるメタンガスが温室効果ガスに大きく影響していると知っていましたか?
日常的に飲んだり食べたりしている牛乳やチーズ、牛肉。日本人にはすき焼きや焼肉、牛丼などなじみ深い料理です。 最近ではインバウンドによる訪日外国人も近江牛や松坂牛などの牛肉を食べることを楽しみに来日する人たちもいます。
国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の温暖化ガスの総排出量のうち、畜産分野は約12%になり、家畜別のメタンの排出割合で牛は約7割強を占め、主な原因はゲップやおならからの排出になります。
牛の内訳をみると乳牛が最も多く、次いで肉用牛、水牛となり、牛肉は1㎏あたり、CO2換算で23㎏の温室効果ガスを排出し、豚肉の場合は1㎏あたり7.8㎏、鶏肉は4㎏程度の排出と豚肉や鶏肉に比べるとメタンガスの排出量が多い状況です。
デンマークでは、家畜による温室効果ガスの排出量を削減しようと家畜に炭素税を導入する試みも検討されています。

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最近の研究ではカシューナッツ殻やポリフェノール類の成分を加えることでメタンガスを抑制する資材の開発も進んでいます。
牛のげっぷやおならに含まれるメタンガスの削減効果が高い取り組みとして、海藻(カギケノリ)の利用が注目されています。カギケノリは台湾やオーストラリア、ハワイなどの海で確認されている紅藻類の一種で国内では、鹿児島や沖縄など熱帯・亜熱帯地域を中心に生息しています。
カギケノリを牛の飼料に2%配合して与えることで、メタンガスの排出を99%削減していたことが確認されています。

Asparagopsis

海藻は何千年も前から家畜飼料として使われていたそうです。牛が草などの食物繊維(セルロース)の多い餌を消費できるのはメタンガスを発生する微生物による消化過程があるためです。海藻の一種であるカギケノリのように、食べ物の内容によって腸内発酵は必ずしも大量のメタンガスを発生するわけではないのかもしれません。
海藻の生産が広がれば、牛の飼料としてきた大豆やトウモロコシ、牧草の量が減り、農地の拡大や水不足の及ぼす影響も減ります。海洋植物による二酸化炭素の吸収量が増えて、地球規模での大きな相乗効果を生み出せる可能性があります。

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